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2011/12/23
人々の知恵と工夫が生み出す「食文化」。近江米、近江牛、近江の茶、そして鮒寿司をはじめとした湖魚料理。美味しさや品質で知られるものや地元の食材を活かした数々の料理は、近江(滋賀)に暮らす人々が自然の恵みに感謝するとともに美しい環境を守り育てながら、知恵と工夫を凝らして築いた独自の伝統食文化として受け継がれています。
滋賀県では、化学合成農薬や化学肥料を、通常の半分以下に減らすなどの基準を満たした作物を「環境こだわり農作物」として認証するなど、より安全・安心な農産物を生産するとともに、環境と調和した農業をめざした取り組みも行われています。
近江農産組合も、組合員の協力のもとこういった安全・安心な野菜づくりを心がけ、地元産野菜を中心に漬物造りをしております。
滋賀県の郷土料理として有名な鮒寿司は、主に琵琶湖の固有種である鮒のニゴロブナが使用されます。熟れ寿司というところからもわかるように、鮒寿司はその昔、保存がきかなかった魚肉を保存するための知恵の一つとして誕生したといわれています。鮒寿司の歴史は大変古く、奈良初期の文書や平安時代の「延喜式」にも記されていることから、当時から既に鮒寿司が食されていたと思われます。
琵琶湖周辺の人々は鮒寿司の効果を経験的に知っており、風邪やおなかの調子が悪い時にも鮒寿司を食べて癒してきました。実際に言い伝えられている食べ方と効果は次の通りです。
◆疲労回復「疲れた時に食べると体が楽になる」「夏バテのときにいい」
◆消化器系改善「腹痛のとき食べる」「おなかの調子が悪い時、鮒寿司のすし飯を食べるとよくなる」「下痢にいい」「腸の掃除になる」「食欲促進」
◆風邪対策「風邪をひいたとき、熱湯に入れて食べる」「鮒寿司の汁を飲むと風邪が治る」
◆血行促進「体が温まる」「寒いとき、ねぎやショウガ汁を入れた鮒寿司汁を飲む」
『小島朝子、北村眞一、堀越昌子：ふなずしの謎 滋賀の食事文化研究会編 サンライズ出版』
近年、昔から食されてきた食品中に生存する動物、あるいは植物由来の様々な乳酸菌が注目され、さまざまな生理作用に特化した乳酸菌の機能性研究が盛んに行われています。
伝統的発酵食品として知られている鮒寿司の機能は、乳酸菌とその生産物質にあると考え、"善玉菌"の名付け親である東京大学名誉教授の光岡知足先生、大阪府立大学教授の北村進一先生との共同研究により新規乳酸菌を分離同定しました（特願2008-180659）。さらに大阪府立大学での動物実験により「すし乳酸菌（SU-６）」は、アレルギー、アトピー抑制効果、消化管免疫機能改善効果を確認しています。
この鮒寿司の米部から取り出された「すし乳酸菌（SU-6）」を使用して出来上がった漬物【乳酸菌の恵み】についてご紹介いたします。
近江農産組合はこのたび、オリジン生化学研究所のご協力を得まして、大阪府立大学と共同開発した「すし乳酸菌（SU-6)」を使用した漬物を販売するに至りました。
鮒寿司特有のにおいは全くなく、どなたでも大変食べやすいお漬け物です。
機能性の高い「すし乳酸菌（SU-6）」と食物繊維たっぷりの国内産野菜が出会い、いままでに無い美味しくて健康的なお漬け物が出来上がりました。
日本初、業界初の期待の大きいお漬け物だと自負しております。
お医者様からも期待されています！！
■種類
〔通 年〕 白菜・大根・きゅうり・赤かぶ・キムチ等
〔季節限定〕 なす・千枚漬等
種類の増加を予定しております。
鮒寿司の米部から単離された乳酸菌Lactobacillus buchneriSU-6の微生物学的特性や生理機能を明らかにしました。その結果、4つのことがわかりました。
（１）酸性条件下でのこの乳酸菌の生育は良好である。
（２）酸素存在下でも発育が良好である。
（３）白菜、キュウリ、レンコン、カブラなどの漬物にするとおいしい。
（４）トマト臭や酢の香りをマイルドにしたり、塩かどをとることができる。
さらに、アトピー性皮膚炎のモデル系をもちいた動物実験（マウス）によってアレルギー抑制作用を有することが示されました。